潤徳日記

 10月25日・26日に「全国普通科高等学校長会」の総会・研究協議会(大会テーマ「普通科高等学校教育の創造」~高大接続改革に向けて、普通科高校としてどう取り組むか~)が東京で行なわれました。2020年度より実施される高大接続改革(=大学入試改革)は教育界では話題の中心であり、大会では全国から参加した校長先生方の熱い思いが語られました。校長先生方は皆、自校の生徒の幸せ、地域・社会の発展を考えての取り組みをされています。

 この大会に参加し、私は本校の取り組みを振り返る機会となりました。改革は多岐に渡りますが、今年度より募集を停止した福祉進学コースで培ったノウハウをベースに確立された本校独自科目『グローバル教養』の中の「ユニバーサルフォレスト」は半年の間に生徒たちに大きな成長をもたらしています。

 この授業では一般科目で学んだ知識をベースに社会の諸問題に目を向け、それについてまずは知り、一人ひとりがそれぞれ考え、その後グループで話し合いながら考えを共有し、さらに考えを深め、そのことを文章にまとめます。この一連の流れを本校では探究サイクルとしています。このような授業を毎週行なうことによって、探究サイクルを2年間回し続けることになります。

 英語の4技能(=読む・書く・聞く・話す)という言葉がありますが、探究サイクルを2年間回し続け、母国語である日本語の4技能を磨くことになります。これにより生徒たちは21世紀型スキルを身に付け、希望の進路を実現させ、その後の社会での活躍が期待されることとなります。

 入学当初はグループディスカッションもぎこちなく、授業の最後にまとめる文章も時間内に終わらないなどぎくしゃくと進んでいましたが、2学期に入ると授業が行なわれる「CUBE1010」の特別教室に楽しそうに移動し、積極的に授業に参加しています。堂々とわかりやすく自分の意見を述べ、クラスメートの話を気持ちに寄り添いながら聴き、授業の最後には自分の考えを理路整然と書いています。このような生徒たちの成長は頼もしく、将来の活躍が期待されます。

 これからも着実な成長がもたらされるよう、教職員一同で夢や目標に向かって努力している生徒たちに伴走していきたいと考えております。