日常ブログ[美術コース]

はい、こんにちは!

二年生の一学期後半のデッサン課題では、美大・芸大志望者は「組み静物」、それ以外の人は「牛骨」をそれぞれデッサンしました。「牛骨」の人は鉛筆デッサン、「組み静物」の人は木炭か鉛筆を進路に合わせて選択しています。希望進路別に課題を分けるのは初の試みでしたが、続々と良い作品が出てきました!全員間違いなくレベルアップしています!!

たくさん紹介したいところですが、キリがなくなってしまうので特に印象的だった作品をご紹介します!

 

 

「組み静物」

空気感を感じるデッサンで構図取りも良くねらいが明快なのでとても見やすいです。またそれぞれの質感や色味の差、画面の中での描きどころにも粘り強く反応しているので絵としての掴みも十分にあります。…とここまでもってきたことについてはかなり評価していますが、描きどころ以外の扱いや描写の精度など、まだまだ完成度を上げていける余地も多く見受けられるのでこれに満足せずさらに上の段階を目指していきましょうね。(河邊)

 

 

オーソドックスながら収まりの良いスッキリとした構図になりましたね。いつものデッサンに比べるとモチーフはもちろん背景に至るまで、ピタッと調子を形に持っていくことが出来ました。明快に描ければシンプルな構図とも良く合い、相乗効果すら感じますね。右手前の台がやや垂れてしまっているのが気になりますが、ここまで描ききった感覚を次回以降にも繋げて欲しいですね!今回はバッチリです!(佐藤)

 

 

モチーフのもつ質感の違いに鋭く反応し、食らい付いて描写するのは良い姿勢であり、魅力的な絵作りができています。色の見え方も豊かで綺麗です。

ただ、表面の描写に迫る前段階として、瓶、花瓶、剥製の立体感、形態感がやや欠けています。布の下にブロックがある感じもちょっと弱く見えますので、今後の課題ですね。(山本)

 

 

炭の調子が明快で、モチーフの色調をしっかり感じますね!静物らしい位置関係も描き進めるにつれてまとまっていきました。後半の仕事の伸び方を見ると、やはり最初のアタリの正確さが大事なポイントだと感じたと思います。他のデッサンでももちろんそうですが、序盤はじっくり時間をかけて精度を上げるともっと短時間で伸びやかに描き進められますよ!(佐藤)

 

 

思い切って木炭を使うことで調子に幅が生まれています。アトリエの中での静物の佇まいといったムード面での魅力を感じます。課題としてはまだ台や背景の調子で位置感が曖昧なところがあったり、描きどころの密度が弱いなどがあったりするので、もう少しじっくり描き込む時間と自分の画面を冷静に見返してみる時間を意識して作ってみましょう。(河邊)

 

 

序盤から積極的に描き込んでいき、形の説得力が出てきましたね。鉛筆ならではの調子の幅も十分に引き出せており、画面全体の印象を深くすることが出来ました。まだまだ観念的な設定が随所に見られてしまいます。静物デッサンでは設定の曖昧さを描き込めば描き込む程に露呈してしまう部分がありますので注意が必要です。序盤の集中力をより高めて、さらにステップアップを目指しましょう!(佐藤)

 

 

鉛筆の濃淡の美しさを存分に引き出して描かれたデッサンです。まだ少しぎこちなく見える部分もありますが、今後もさらに上達していくことを期待させてくれる内容です。ブロックの傾きと台の面にやや不安定さを感じさせてしまうので、理屈で考える部分や隠れて見えないところももっと意識して、説得力を増していきましょう。(山本)

 


 

「牛骨」

やや構図が左よりですが、内容はとても良いものになったと思います。牛骨らしいゴロっとした塊感や骨の質感など、この課題で求められていることに素直に反応できたデッサンですね!序盤から鉛筆の乗りが良く、たっぷりと調子をやりとりできたのが要因でしょう。同時に床面も同じようにやりとりできると、特に顎の付け根の下の空間など、モチーフを引き立てる重要な空間が表現できると思います。(佐藤)

 

 

牛骨らしさをよく観察し、描写することができました。

まず、骨の塊としての構造が見え、その上で表面の切れ味の鋭い骨のひび割れ部分や角の描写、台の面の張りなどをデッサンの基礎となるポイントをしっかり押さえ描かれています。次回以降の課題ももっと欲を持って取り組んでみてはいかがでしょう。(山本)

 

 

後ろ向きから捉えた牛骨の形が新鮮に感じられるデッサンです。形の面白さもありますが、形の印象だけではなく逆光の印象や地面に映る影といった光の印象を捉えられているところがこの絵の良さを引き立てています。もう少しモチーフの接地面をしっかり観察してほしいのと、牛骨の陰の中の調子や描き込みがやや簡単に見えてしまうのでもう少し鉛筆の使い方など工夫するようにしてみましょう。(河邊)

 

 

とにかく、光がキレイだったので目を引きました。感じ取った光の印象を素直に表現できましたね。まだまだ細かいところで単純な見方をしているところがあるので気を付けていきたいところですが、自分の持ち味を発揮できた貴重な一枚になりそうですね!次も楽しみです!(佐藤)

 

 


 

皆かなりレベルの高いところまで来ていますね!ここからは、さらに「表現」や「時間」と行った領域も意識する段階と言えるでしょう。皆の成長が楽しみになる課題でした!

おつかれさまでした!