潤徳日記

毎年、本校では2月中旬に外部三団体(PTA・同窓会・潤徳会)の役員の皆様と本校教職員の出席で「潤徳サミット」が行われますが、今年も皆様のお力により17日に開催していただきました。皆様の関心は「百周年」と「コロナ収束後の学校の様子」でしたので、私からは「百周年」の記念式典に間に合うようにとコロナ5類後にはじまった大規模修繕工事が順調に進んでいること、それに伴ってお願いしている寄付金のこと、コロナ前に戻りつつある学校生活について報告させていただきました。2019年度末からはコロナの対応に追われ、瞬く間に時間が過ぎ、ついつい百周年のことは置き去りになっていましたが、コロナ5類を受けスタートさせた工事も工事業者の皆様をはじめとする多くの方々のお力添えで順調に進み、きれいになっていく校舎に百周年の機運も高まってきました。

本校は千住で医院を開業されていた堀内亮一先生の呼びかけにより創設された千住町教育会によって大正13年2月に潤徳高等女学校として創立しました。堀内先生は医師という立場から女子教育も充実させ、女性が衛生や栄養、子育て等について高い見識を持つことの重要性をお話しされていたと伺っています。現在は上下水道も整い、義務教育の段階で栄養については詳しく学び、流通も整備されていますので新鮮な食材を近くのスーパーで購入でき、医療制度も整っています。しかし、日本では男性に比べて女性の給与水準が低かったり、企業等での女性管理職が少なかったり、女性の政治家が少なかったりというジェンダーギャップの問題や少子高齢化など今の時代の問題があります。

これらの問題は男性、女性に関わらず当事者意識を持ち、皆で解決していくことではありますが、高校3年間を女子のみという環境の中で女性として、これらの問題をどのように考え、自分はどのように生きていきたいかを考える良い機会であると考えております。私自身も高校時代は女子校で過ごし、当時の問題を考えていました。当時は男女雇用機会均等法前で、「男は仕事、女は家庭」という風潮がありましたが、それには懐疑的でした。

クラスメートともいろいろ議論し、各自の考えた道を各自が進み、途中変更もありとなり、卒業後はクラス会などで報告しあっています。

高校時代は授業やクラブ活動、行事等を通して学ぶことがたくさんありますが、友人と将来について語り合う場でもあると私は思いました。そして私たち教職員の役割は語り合うきっかけをさり気なく提供し、友人と語り合う場にふさわしい環境を整えることであると考えております。本校に入学してくれた生徒が将来について考えながら、友人と議論を重ね、学校生活のいろいろな場面で知識や考え方を吸収し成長して欲しいと願っております。また、いつの時代もそのような学校であり続けられるよう努力してまいります。