日常ブログ[美術コース]

こんにちは!

2年生一学期の専攻美術課題は油彩、水彩、彫塑、デザインの中から選択する授業で油彩の課題は、「モチーフ(剥製)を細密で描く」でした。

描きごたえのあるモチーフがメインなので細密描写の出来が画面の出来を左右しやすい傾向はありましたが、絵具のマチエール効果や油彩技法なども取り入れながらそれぞれが画面作りについて考えるきっかけになったように感じました。

 

では優秀作品の紹介です。

 

やや難しい位置を選んでいますが、手前と奥の差を意識してしっかり空間を作り出しています。陰の描き込みや背景の仕事にもう少し微妙なフォローがあればさらに良いですが、光を利用した抑揚のある空間演出によって見せたいポイントに自然と視線が集まるので絵としての安定感があります。

 

この鳥のフワッとしたボリュームを感じます。体の羽根の描き込みなどもずいぶんと充実してきました。顔や足周辺にもさらに密度の高い描き込みが欲しいところです。またモチーフの背景で左右扱いを変えているのは良いのですが、空間的なつながりまで意識し調整をしていけるとさらに良いですね。

 

背景についてはやや荒削りではあるものの、しっとりとしたモチーフの質感に対して彩度が高めのマチエール(絵肌)の色面を思い切りよくぶつけて質の対比で画面をみせています。また背景の彩度や絵具の強さに負けないくらいモチーフの描写が充実しているので、それがこの作品の強度をより一層高めてくれています。

 

 

構図の悪い感は否めませんがとにかくよく粘ってやりとりしています。その仕事量が積み重なって絵具の表情や描き込みなど見応えとしては十分あります。課題は構図についてと、モチーフの中でまだ形になりきっていない、浮いたり沈みすぎたりする調子があるので明度と彩度の選び方などをさらに慎重になれるといいでしょう。

 

 

顔周辺をメインにする絵が多い中、下半身から足下をねらったところがとても新鮮に感じました。鴨のプリっとしたお尻の可愛らしさに惹かれたんでしょうか?控えめな色と素朴な筆使いで描かれたモチーフの表現は量感的で調子も柔らかく心地いいです。お尻や足周辺を描いて佇まいをみせることがねらいであったなら、お尻や足周辺の地面にもう少しゆとりを持たせる構図でも良かったかもしれません。

 

 

シンプルな構図に顔の描写がよく効いていて目を引きます。今回のような状況ではモチーフ自体の動きが少なく、描くポイントも絞りやすい反面、絵として単調になりやすいところがあります。少ない動きの中でどれほど空間として複雑にみせられるか、また理屈抜きに単純にモチーフの魅力をどこまで感じ取って表現できるかが問われてくるところです。

 

 

 

以上油画の選択課題でした。

今後も油絵を描く場合は、今回の経験も生かしつつよりさらに自分に合った表現を探してみましょう!